第三話第三話「いたたたた・・・まったく、シェルのやつは乱暴なんだから・・・・。」 リアルは、王宮跡のところで、腰をさすりながら座っていた。 思えば子供の頃から、シェルビアとは一緒に過ごしてきたのだ。 彼女の色んなところを知って、誰にも彼女を獲られたくないという気持ちがあるのだろうか。 ある、そんな気がする。 そんなことを考えていると、皆が空を見上げて叫んでいた。 「何あれ!」 「羽がはえているから天使さんじゃないの・・・?」 「違う!悪魔だぁ!!」 「悪魔・・・?」 「リアルさん~。」 その空に飛んでいる悪魔の羽を生やしたものは華屡埜だった。 「華ちゃん!!」 すとっ 「着地成功☆大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫だけど・・・。その羽・・・しまったほうが・・・。」 「え?」 悪魔はこの世に魔をおとすもの。 ただちに殺せよ。 「Memory fade away!」 華屡埜は呪文を叫ぶ。 すると、街は黒い光に包まれ、消えた。 人々は、何もなかったというようで、再び話し始め、歩き、笑った。 「は・・・華ちゃん・・・今・・・・何を・・・。」 「始めてしりました。人間界で悪魔は嫌われているんですね。」 「華ちゃん・・・君は・・・・。」 「魔界に住む人々はほとんどが純粋な悪魔です。」 華屡埜は、リアルの横に腰掛けた。 「しかし、1割が魔界では上位の、敬われるものとして人間と悪魔の複合した人がいます。 それが、私のような魔界警察になれるわけです。 人と悪魔の複合したものを、魔界ではデーマンといいます。 そのデーマンは、人間の世界でいうアーチャーや、サマナー、戦士、などと悪魔が複合しています。 しかし、悪魔と天使の複合はいません。 私はアーチャーで、悪魔の力をもったデーマンです。」 「そんなに・・・すごい人なんだ。」 「まぁ、少なくとも、この世界に生きる人々を全滅させる力は皆持っています。」 リアルは「全滅」という言葉を聞き、体をふるわせた。 「安心してください。私は追放された身分です。それに、悪魔の力だって、封印を解除しないとあまり使えないんで す。」 「そう、なんだ・・・。」 「リアルさ~~ん!!」 声のするほうを見ると、1人の剣士が走ってきた。 「シェルビアさんが『早く戻ってきて昼食の準備しろ』って言ってましたよ。」 「まじかよ・・・人使い荒いんだからまったく・・・。じゃあ華ちゃん、しばらくガルトくんと街回ってきなよ。」 「へ、あ、はい!」 「あ、君が華屡埜ちゃんか!はじめまして、ガルトといいます。」 ガルト。 父親がウィザード、母親が剣士というハーフ。 有る程度の魔法技術がある。 剣士のなかでも優れており、並大抵の相手には体術でも勝てる。 冷静に物事を判断できる正確で、滅多に怒らず、比較的優しい。 そのためシェルビアのお気に入りで、かわいがるため、リアルは何気に邪魔しようと日々計画を練っている。 しかし、憎めない。 「じゃぁ、回ってこうか。」 「はい!」 つづく。 ジャンル別一覧
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